本屋大賞にも選ばれた『かがみの孤城』。
謎の城につれてこられた不登校気味の子どもたちが、交流を通じてそれぞれの生き方を見つけて行く作品です。
スッキリとした終わり方をする作品ですが、それぞれが傷を抱えている登場人物たちのその後については、あえて書かれていません。
今回は、物語のラストシーン以降、子どもたちがその後どうなったのかについて考察したいと思います。
※この記事は作品のネタバレを含みます
登場人物のその後
元の時代に戻ると、城での記憶は失われてしまいますが、エピローグでのこころの描写・アキのその後(後述)を見る限り、城での経験は彼らの人生に大きな影響を与えていることがわかります。
それを踏まえて、彼らのその後を考察したいと思います。
こころ
こころのその後は、エピローグで書かれていますね。
城から戻った彼女は、喜多嶋先生の働きかけもあり、スクールに通うことを決めます。
そして、転校生として現れたリオンと再開します。
喜多嶋先生とリオンとの交流によって、彼女の心は開かれていくのではないでしょうか?
スバル
もとの世界に戻った後、スバルは立派なゲームクリエイターになったのではないでしょうか?
スバルは城の中で、ゲームが大好きなマサムネとよく一緒に遊んでいました。
実は、スバルは1985年の時代の人間であり、2013年の時代を生きるマサムネとは30年ほどの差があります。
作品終盤のシーンで、スバルはマサムネと1つの約束をします。
それは「ゲームを作ること」です。
マサムネの不登校の原因となった「ゲームクリエーターの有名な人と知り合い」という言葉が、時を経て真実になるというニクい演出だと思います。
マサムネ
彼を語る上で重要なファクターとなるのが、スバルとの約束でしょう。
マサムネがゲーム好きになった理由も、スバルが作ったゲームがキッカケだったら素敵ですね!
そして、それが現実であるならば有名なクリエイターであるスバルと知り合いであることも嘘ではありません。
もとの時代では、マサムネの言葉は真実になり、不登校でも無くなっているのではないでしょうか?
アキ
エピローグで発覚するように、アキこそが喜多嶋先生その人です。
喜多嶋先生はこころがフリースクールの中で、唯一心が開けそうだと、感じられた先生として描写されています。
つまり、城での出来事の後、アキは自らの絶望から抜け出して、過去の自分と同じような境遇の子供達を救う仕事についているんです。
これだけで、この作品に救いがあったと言えるでしょう。
作品のラストのシーンで、他の子供達によって狼の驚異から救われたアキが、成長して救う側に立っているという逆転の描写も見事です。
リオン
リオンは幼い頃に姉(狼さん)を亡くしたことで心を痛めた母親にハワイの学校へと飛ばされたと思っている彼は、地元の学校に通うことを熱望しています。
そして、城での出来事を通じて姉とのわだかまりを解消したところで、エピローグの転校のシーンへと繋がります。
同じ学校に来たものの、記憶は失われているため、お互いの面識は無いようですが、惹かれ合うものはあるのではないでしょうか?
こころもがリオンのことを「イケメン」と表現しているシーンもあるため、こころと恋仲になる可能性は少なくはないかもしれませんね。
フウカ
ピアノの天才児としてもてはやされ、幼い時代を棒に振ってしまった彼女。
ウレシノとはいい関係を気づいており、お互いの記憶が無くなっても好意を素直に受け止めています。
城でも勉強をしていたことからも、ピアノという枷を解き放って、普通の女の子として生きていくのではないでしょうか。
ウレシノとは7年しか時代に差がないので、2人は未来で再会すると考えられます。
ウレシノ
学校のクラスメイトから、イジメを受けていたウレシノ。
彼も他の子供達と同様に、指導者となったアキに救われる最後の生徒だと言えます。
最年少の彼ですが、城ではフウカを女の子として好意を伝えています。
約束の通り、フウカとは再会して欲しいと思いますね!
まとめ
以上、『かがみの孤城』の登場人物のその後についての考察でした。
あくまで私個人の意見なので、他の考え方もあると思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
たぶんお気づきだとは思うのですが。
自分が気づいた事を言える場所がほしく、書き込みます
昴についてですが。立派なクリエイターになりましたね!
ゲトワと呼ばれる有名なゲームを作るほどに
プロフェッサーナガヒサという名前になって!
読み終わったあと感動しました
約束守ってる!って
>いつかさん
コメントありがとうございます!
そういった物語終了後の気付きが素敵な作品ですよね。
こんなブログでよかったら好きなだけコメントしてください(笑)
どうしようまだ見てない❗
読書感想文にしようと思って読み始めましたがこころたちが未来でも繋がっている描写がとても強く印象に残りました!
オオカミさまの最後が好きだった…!
昨夜一気に読み終わったばかりなのですが、リオンは最後の最後に姉に「善処する」との言葉をもらっているので、彼だけは孤城であったことを覚えており、自分の転校先にこころがいることを知っているのではないでしょうか?(こころは記憶を消されているのでわからない。)それがプロローグにつながるのかなと思って読み終えました。
>おじさんさん
コメントありがとうございます!
自分の読解力不足でした…確かにそういった解釈ができますね!
参考になります。
フウカとウレシノが未来でどうなってるか気になりますね!
後日談が見たかったな…
リオンは最後オオカミ様に頼んで城での記憶を残してますよ
鏡の孤城良かった。
第2巻出してほしい!
この話自体が結構ハッピーエンドですからね。語られていない部分でも、きっと皆幸せになれているはず!本の力は偉大ですね。