※この記事はネタバレを含みます
『ズートピア』のメインストーリーで取り上げる動物の連続失踪事件。
その黒幕であるのは、副市長のベルウェザーです。
物語中では明確な悪として書かれるヴィランですが、なぜ彼女は悪者になってしまったのでしょうか?
その理由には、本作のテーマが大きく関わってきます。
今回は『ズートピア』のヴェルウェザーが悪者になった理由について、考察していきます。
ベルウェザーの作中での活躍
ベルウェザーはズートピアの副市長を務める羊の女性です。
副市長とは肩書だけで、実際はライオンハート市長にコキ使われるだけの存在でした。
そんなさなか、ズートピアでは動物の連続失踪事件が発生。
肉食動物が狂暴化したため、ライオンハート市長は自分の権威が失墜することを恐れて、肉食動物たちを隔離していました。
それが発覚して容疑がかけられた彼は逮捕、なりゆきでベルウェザーが市長となることに。
しかし、事件は解決せず彼女が動物たちを狙撃していたダグを操っていた黒幕であることが発覚。
彼女を捕まえようとしたジュディとニックを狂暴化させようと画策しましたが、2人の演技に騙されて逮捕されました。
ベルウェザーはなぜ悪人になった?
ベルウェザーはなぜ、ここまでの犯行を計画するにいたったのでしょうか?
実際のところ、彼女は純粋な悪人というほどではないと思います。
ジュディに「小動物の誇り」と声をかける彼女に視聴者は親近感を感じますし、ライオンハートに奴隷のように扱われる彼女には同情まで覚えます。
彼女をここまで動かした原因は、やはりライオンハートによる差別です。
いじめによって、ライオンハートひいては肉食動物への恨みを募らせ、住民の差別意識を刺激しようと計画しました。
日頃から抑圧されている人ほど、行動に起こした際のパワーが凄まじいことは現実世界でもよくある話ですよね。
ライオンハートの「誰でも何にでもなれる」という主義は肉食動物でも市長になった自分を正当化するためのもの。
肉食動物という出自にコンプレックスを持っているからこそ、彼は影でベルウェザーをいじめていたのでしょう。
ズートピアの偏見と差別
『ズートピア』を語る上で欠かせないのが、そのテーマ。
この作品では、アメリカが抱える人種差別問題を取り上げています。
主人公のジュディやニックも、種族差別でトラウマを抱えた内の1人ですし、ベルウェザーも悲しい差別の被害者です。
さらに、もとを正せばライオンハートがベルウェザーをいじめていたことも肉食動物であることのコンプレックスの裏返しでしょう
このように、本作では根強く残る「差別」という慣習によって出自から悲しい運命を辿る人々で溢れかえっていることを示唆しています。
一見こども向けですが、一緒に見た親御さんの方が衝撃を受ける作品かもしれません。
個人的にはライオンハート市長は、初の黒人大統領であるオバマ氏のメタファーなのではないかと考えています。
オバマの名台詞「Yes We can」も、ライオンハートの「何にでもなれる」と類似しているような気がしませんか。
考察するたびに、ズートピアは深い作品であると思います。
ズートピアの目の光は、ベルウェザー副市長の件もあるし、消えたり入ったりするのは、単に光源と目の位置関係だけでなく、意図してそうなっている可能性がある。
— マドリ🦊🐰ズ一トピア (@MadlyCurbonato) 2017年12月9日
ベルウェザーに関する小ネタ
実はベルウェザーが黒幕であることは、彼女の名前から暗喩されていました。
bellwetherは英語で2つの意味を持ちます。
- 首輪付き羊
- 首謀者
つまり、彼女の名前は2つの意味を含んだ深いネーミングだったのです。
- ライオンハートに奴隷のように扱われる(首輪付きの)羊
- 事件の黒幕である首謀者
非常にセンスのある名前だと思います。
ズートピアの「ベルウェザー」ってもう名前でネタバレしてたんだね…
全然知らなかったけど— のうぷ🐊 (@noupu1115) 2018年5月23日
まとめ
- ライオンハートのいじめにより肉食動物に恨みを持った
- 種族による偏見や差別がズートピアのテーマ
以上、ヴェルウェザーが悪者になった理由についてのまとめでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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